半導体製造における強酸マトリックスに対応
O-リングなしインジェクタベースにより、不活性 PFA サンプル導入キットの石英製外側トーチ本体から、インジェクタを簡単に取り外すことができ、洗浄やメンテナンスが容易になります。
半導体アプリケーションに銅ベース ICP-MS サンプラコーンを使用しているラボでは、強酸マトリックスで生じる早期の劣化と短いコーン寿命をすでに経験しているでしょう。
アジレントのニッケルめっき白金製サンプラコーンにより、半導体アプリケーションの高速化と効率向上が実現します。Agilent ICP-MS システムで設計、テストされたこれらのコーンには、次のような利点があります。
当社のユーザーが、通常 Si ウェハ製造に使用される 7 % HCl および 9.8 % H2SO4 サンプルを分析しました。ユーザーからは、「寿命が延びて、性能は良好です。特に、Pt および Ni バックグラウンドは（標準的な）銅ベースコーンよりも高くなりませんでした」との意見が寄せられています。つまり、コーンによりコストが削減されるということです。
Agilent ICP-MS 半導体業界ユーザー、中国
「使用してみたところ、寿命が Ni 製の銅ベースコーンと比べて 4 倍以上長くなりました。これだけでも、Ni 製から新しい Pt 製チップの Ni めっきサンプラコーンに切り替える理由になります。さらに、クリーニングの前に 40 % 長くコーンを使用でき、メンテナンスの頻度が週 1 回で済みます。それに対し Ni 製コーンでは通常、週 2 回のメンテナンスが必要です。このようなメリットがあり、さらに分析性能に影響はありません。使用したすべての ORS セルモードの感度と、ISTD 元素の安定性は、性能仕様の範囲内に十分に収まりました」
地球化学ラボのアジア太平洋地域品質マネージャ
強酸マトリックスによって ICP-MS サンプラコーンが腐食すると、性能が低下し、コーン寿命が短くなります[左]。ニッケルプレート、白金製のサンプラコーンとの違いをご確認ください[右]。
コーンとトーチインジェクタの製造に使用される白金のボロン含有量は厳密に制限されています。そのため、ボロンフリーの ICP-MS 消耗品を特別に注文する必要はありません。
Agilent ICP-MS 機器用の不活性 PFA サンプル導入キットに含まれている新設計のインジェクタホルダは、O-リングが必要なく、石英製外側トーチとの間にしっかりと密閉性を保ちます。O-リングが不要なため、長期の使用後でもインジェクタを簡単に取り外せます。