バイオバンクのための LIMS

Agilent SLIMS は、あらゆるバイオバンクサンプルを
使用期間全体で管理・追跡する包括的なソフトウェアです。
詳細は次のビデオをご覧ください。

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収集、保管、発見

バイオバンク用の Agilent SLIMS では、ラボの生体試料サンプルを最初から最後まで総合的に管理でき、研究の質と結果の信頼性を向上します。生体物質を迅速かつ容易に管理できます。また、サンプル収集時やサンプル登録前、およびサンプル使用時の品質管理対策により、バイオバンクの品質を可能な限り高めます。

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バイオバンク用 SLIMS の利点

SLIMS ワークフロー
サンプル、ステータス、ワークフローおよび保管場所を、迅速かつ手間をかけずに把握
フルスケールの過程管理
柔軟に設定できるサンプルアノテーション
冷凍庫管理システム、機器、および病院の EMR システムとの統合
何度もサンプルを収集する長期的な研究
ISO 20387:2018 要件、ISBER 勧告、および SPREC 命名法に準拠
シンプルで流れるような操作

SLIMS では、研究の作成や被験者の登録、サンプルおよびキット収集のための来院・来所のスケジュール、試料に関するイベントの作成を容易に実施できます。重要なサンプルデータのフィルタリングと強調表示も簡単です。サンプルタイプ、容器、場所、ステータスなど、サンプルの重要な詳細情報すべてを管理できます。また、時間の経過とともに発生したすべてのイベントと変更のモニタリングも可能です。変更がいつ誰によって行われたかも分かります。SLIMS により、権限を持つラボスタッフとマネージャが、リモートでもデータに即座にアクセスできるようになります。

バイオバンクサンプルのライフサイクル

シンプルで流れるような操作
資産計画を容易にする、複数の機器の統合

SLIMS を使用すると、TapeStation などのラボ内の機器を統合し、他のアジレントおよびアジレント以外のラボ用ソフトウェアシステムと接続できます。これらのシステムから得た結果は、簡単に SLIMS に転送でき、そのデータをすぐに再利用できます。

これによりラボリソースの追跡と管理がより容易になります。また、お客様独自のルールに基づいて、リソースへのアクセスを SLIMS で監視することもできます。つまり、ラボの現在のステータスを、いつでも正確に把握できるということです。また、使用の制限や、適切な機器やツールが確実に使用されるようにするための権限の付与も容易です。

複数の機器

Agilent TapeStation ソフトウェアとは自動的に接続され、結果は SLIMS に転送されます。

業界基準への準拠

SLIMS は、ISO 20387:2018 要件に加えて、特定の市場で要求される厳格な、法的に要求される規格にも対応しています。また、あらゆるリポジトリと試料タイプを網羅した品質管理(QC)のための ISBER ガイドラインや、液体および固体の生体試料について特に重要な解析前の変数に対応する SPREC(Standard PREanalytical Code)もサポートしています。QC 工程には次の 4 つの「柱」があります。

  1. 真正性:正確に割り当てられた ID
  2. 純度:汚染がないこと
  3. 安定性:定義された条件下での保存時に、サンプル物質が測定済みの定量の初期値を一定期間、規定範囲内に保持できること
  4. 同意:ヒト試料用

すぐに運用可能

SLIMS には、柔軟なインストールオプションが用意されています。アジレントの拡張性と安全性に優れた強力なサーバーにホストすることも、ご利用のクラウドサービスプロバイダでホストすることも可能です。また、お客様の IT インフラストラクチャ内のサーバーにインストールすることもできます。SLIMS は Web ブラウザで動作し、クライアントコンピュータにその他のソフトウェアは必要ありません。また、タブレットでも使用できます。

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より短時間で結果を取得

プロセスが自動化され分かりやすいため、ラボワークフローを迅速化できます。また、SLIMS の実装プロセスは短時間で済むため、ビジネスでの成果もより早く確認できます。

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専門知識

アジレントの SLIMS エンジニアは、科学やラボインフォマティクス分野の素養のある専門家です。アジレントは 20 か国以上のラボにソリューションを導入してきました。インストールや設定からバリデーションと継続的な支援まで、プロジェクトの全段階でサポートしています。

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SLIMS Store

SLIMS Store では、あらかじめ設定されたツールを使用して迅速に実装できます。一連のサンプルタイプ、位置、メタデータ、自動化スニペットなどから選択することで、ソリューションを可能な限り早期に動作させることができます。必要な項目をインストールしてそのまま使用することも、SLIMS をラボに合わせて調整することも可能です。

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バイオバンクのカタログ

Agilent SLIMS を用いてラボ効率を向上させる方法をご覧いただけます。

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オンデマンドウェビナー

SLIMS ソフトウェアのライブ/録画ウェビナーのシリーズ

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お客様の言葉

お客様から寄せられた SLIMS のご感想

flyORF

「当社施設で内外の顧客からのご注文を追跡するために、SLIMS が役立っています。SLIMS を使用することで、特定の系統のミバエを求めるユーザーは、FlyORF の施設で入手可能なコレクションを同一のシステム内で参照し、目的の系統を選択して発注できます。SLIMS の多面的な機能は、フロントエンドからこれを可能にすると同時に、バックエンドではラボの発注やサンプル管理、請求のすべてを扱えるようにします。また、FlyORF ラボでは、複数システムを購入する必要性が軽減し、経費と時間も節約できました」

kidney control of homeostasis

「バイオバンクとコホートを管理するために Agilent SLIMS を選択し、選ばれた被験者プールの継続的な観察と経過観察を確立しました。SLIMS の機能を使えば、被験者の登録、コホート内での進捗のモニタリング、さまざまな施設間でのアクセスが容易になる上に、データ保護と被験者保護のニーズにも応えられます」

FAQ

バイオバンクは、研究での使用を目的とする生体物質の、記録済みのコレクションです。組織バンク、バイオリポジトリ、生体試料リポジトリとも呼ばれます。バイオバンクでは、植物、動物、環境、その他の多くの供給源から集められた、幅広い種類のサンプルタイプを扱います。通常、医学研究と関係付けられるバイオバンクには、体液、組織サンプル、さらには臓器全体など、ヒト起源のサンプルが保存されています。これらは日常的な手技やその他の医療処置によって収集されたものです。

ヒトサンプルおよびこれらサンプルに関連付けられる記録を利用できるようにするだけでなく、バイオバンクは、ゲノムデータ、集団遺伝学データ、分子データなどさまざまな医学情報へのアクセスも可能にします。この種の情報へのアクセスは、このようなリポジトリを維持できるほどリソースのない多くの医学研究ラボにとって、きわめて重大です。

医学研究バイオバンクには非常に多くの人から得たサンプルが含まれており、より効果的な病気の予防や治療を実現するための、遺伝子と環境との相互作用の解明に使用されています。各サンプルからの遺伝子情報は、個々の病歴や健康に影響を及ぼすその他の個人的因子(例えば、食事、喫煙など)と関連付けることができます。これらのバイオバンクでは、ヒトサンプルは通常、数年間保存されます。

ヒトの生体試料は、診断や研究目的のためにヒトから採取された、何らかの生物学的物質のことです。研究用に保持されている生体試料には、血液やその他の体液(血漿、血清、尿、便、痰、胆汁、脳脊髄液(CSF)など)、組織や臓器の固体サンプル、配偶子、胚、胎児細胞などがあります。これらのサンプルは、健康な人からも病状のある人からも、クリニック訪問時、外科手術時、剖検時に採取されます。

生体試料は研究結果を患者データと結びつけ、より適切な診断や治療戦略の探求を可能にします。ヒトの生体試料は医学研究者にとって、以下のための大きな助けとなります。

  • 特定の疾患にかかりやすそうな人の判定
  • 疾患の進行および変動の理解
  • 特定の薬にある患者が反応する見込みの判定
  • 適切な治療の調査
  • 検出および治療用のスクリーニングツールの改良

生体サンプルには、疾患およびその治療を理解するために重要なたくさんの情報が含まれています。DNA、グリカン、タンパク質、疾患のバイオマーカー、およびその他の調査対象の分子すべてを分析して、その結果を患者の詳細データと直接関連付けることができます。多くの場合、他のアプローチでは不可能な知見を得られます。

疾患の診断および治療の新しい方法を発見し開発することが医療の進歩の中心です。厳格に管理された条件下で収集され、記録されて保存されるサンプルは、このプロセスの重要な一部です。

ヒトサンプルの医学研究は、次のことを含む多くの重要な成果に貢献しています。

  • 患者特性と所定の治療に対する反応がどのように相関しているか、およびその理由の理解。また、特定の薬物を投与すべきでない患者の特性プロファイルの確立による、診断と治療の改善。
  • ヒトサンプル中で検出できるインジケータとして機能する分子バイオマーカ―の確立による、疾患と治療経過のモニタリングの向上。疾患進行の分子インジケータの発見と、新薬ターゲットの特定への活用。
  • 遺伝的リンクなど疾患の起源の理解による、疾患発症を回避または遅延させるための医療の向上。

メディカルバイオバンクの活動は、高品質で安全性の高い運用を確保するために作成された規制ガイドラインによって厳格に管理されます。バイオバンクは、サンプルおよびその関連データを収集し、保存し、処理します。また、これらのサンプルとデータを、適切な科学的意図と規制へのコンプライアンスを示した、承認済みの医学研究プロジェクトで使用できるようにします。

病院ベースや集団ベースのバイオバンクに統合されるものなど、さまざまな種類のバイオバンクがあり、各領域での医学研究のニーズを満たすために使用できます。いずれもヘルスケアの向上という目標に貢献します。集団ベースのバイオバンクでは、母集団の健康被験者から収集したサンプルを扱います。数十年にわたって提供者に関するデータを収集し続けることで、定期的に追跡調査します。この調査は、病因または感受性の研究に特に有用です。

対照的に、病院に統合されたバイオバンクでは、サンプルの提供者はすでに疾患にかかっているか、疾患にかかっている疑いがあります。研究グループはこれらのメディカルアーカイブを利用できるため、サンプルそのものの収集や保管に時間と費用を割かずに済みます。

ISO 20387:2018 下で定義されている規格は、生体物質と関連データの品質の確保に必要な要件を含め、バイオバンクの能力、公平性、および一貫性のある運営についての一般的な要件を示しています。生体試料および環境試料のコレクションやリポジトリを効果的に管理する方法は、環境及び生物学的リポジトリ国際学会(ISBER)ベストプラクティス:リポジトリに対する推奨事項(第 4 版)に詳しく記載されています。

欧州の機関も、データプライバシーに関する法律を含め、バイオバンクの実践を明確に定義した規制ガイドラインを用意しています。ベストプラクティスガイドラインは、OECD、国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)、およびこの他の各 WHO 機関も発表しています。

しかし、欧州連合(EU)のバイオバンクは、特定のバイオバンク法ではなく、他の既存の規制の枠組みの下に置かれていることに留意するべきです。国家間の法律が大きく異なるために、欧州各国間でのヒトサンプルの交換が複雑になり、医学研究の国際的な協力が妨げられている可能性があります。EU 諸国が制定している法律について特定の情報を得るには、Human Sample Exchange Regulation Navigator(hSERN)が有益なリソースとなります。

これらの要件はすべて、サンプルの品質を評価するために必要な手順だけでなく、サンプルを取り扱うため、そして該当サンプルに関するすべての事象を記録するために必要な手順にも影響します。このような要件に対応できるように特別に設計されたソフトウェアソリューションは、一般的なデータ管理システムに頼れないバイオバンクにとって必要不可欠です。

サンプルおよびそのサンプルに関連付けられた個人データの安全性と品質を確保するために、その保管場所に適用されるすべての規制を完全に満たす保管方法が必要です。また、権限を与えられたスタッフのみアクセス可能です。医学研究のために要求されたサンプル/データには、要求した科学者が適切な内部審査委員会(IRB)、医学倫理委員会(MEC)、または地域の同等機関から許可を得た後にのみ、アクセスすることができます。

権限を与えられた人だけが、必要とする情報だけを閲覧できるように、ソフトウェアソリューションを利用してデータアクセス管理を支援します。例えば技術者は、サンプルを収集した患者の経歴へのアクセスは不要かもしれませんが、次のことを知る必要があるかもしれません。

  • 収集後の手順や分析の実施中に適切な予防措置を確実にとるための、病原体または伝染性病原体が存在する可能性。
  • サンプルの品質が分析の要件を確実に満たすようにするための、サンプルが曝露されたことのある状況。

大規模な多施設共同の研究プロジェクトで実施される研究の場合、サンプルが他の機関に輸送されることがあります。これらの輸送先における現地規制は、発送元のバイオバンクのある地域の規制とは異なる場合があります。つまり、輸送先の規制のために、サンプルをバイオバンクへ返却するように要求される可能性があるということです。一方、事前の明示的な合意により、余ったサンプルがあれば廃棄してもらうことも可能です。

サンプルが研究用に提供される場合、サンプルに関する情報をコード化する必要があります。患者の治療や将来の診断に使用されないサンプルは匿名で提供され、サンプルが患者の個人データと結びつけられることはありません。
さらにバイオバンクは、サンプルに影響を及ぼす火災や洪水などを軽減するための措置をとっており、サンプルの保管状態の品質を追跡し評価するための手段も提供しています。

患者はサンプルに関連して特定の権利を与えられる場合があります。例えば、サンプルとデータの保管期間、安全性、アクセスなどの疑問を問い合わせたり、これらの使われ方を常に知らせるように要求できる、といったことです。健康、栄養、生活スタイルに関する情報を患者から提供する場合もありますし、医療記録からこれらの情報を取得できるようにすることもあります。
バイオバンクではソフトウェアを使用して患者の個人情報を収集し管理しています。このようなソフトウェアは、米国の HIPAA(医療保険の相互運用性と責任に関する法律)や EU の GDPR(一般データ保護規則)、日本の APPI(個人情報保護法)、またはシンガポールの個人情報保護委員会など、関連する政府機関が定めたガイドラインに準拠する必要があります。

データの性質上慎重に扱う必要があるため、ソフトウェアは ISO/IEC 27001 などの厳格なセキュリティ基準に従う必要があります。バイオバンクストレージソリューションと、元の病院に設置されている EMR(電子医療記録)ソリューションとの間で安全な接続を自動的に確立することにより、優れた生産性と品質を実現できます(データの再入力不要、コピーアンドペーストのエラー低減など)。

バイオバンクの参加者にとっての主なリスクは、プライバシー、汚名および差別の可能性、偶発的所見への対処などです。

サンプル自体だけでなく臨床上の患者のデータが医学研究に必要となる可能性がある、という事実が、患者のプライバシーの問題に影響を及ぼします。患者の身元は必ずしも不可欠な情報ではないものの、場合によってはサンプルとデータを患者や治療にあたる医師に結びつける必要があるかもしれません。さらに、治療の内容や臨床反応、治療成果に関する経過観察データを収集するための仕組みが要求される場合があります。このような場合、コード化を使用して個人データを保護しつつ、制限なく臨床検査を行います。

サンプルには、遺伝的な罹患傾向などを解明できる遺伝物質が含まれるため、汚名と差別もバイオバンクの潜在的な懸念事項となります。

関連する研究結果が得られた場合、バイオバンクは提供者にフィードバックできますが、実施方法はさまざまなため、患者は自分がサンプルを提供したバイオバンクのポリシーについて問い合わせることができます。偶発的所見とは予期せぬ結果で、元の診断だけでなく、選択した治療オプションについても、疑義や変更につながります。患者と医師に情報が戻されるのか、どのように戻されるのかについても、やり方はさまざまです。治療を行う医師は元の診断にこれらの所見がどのように影響を与えるかを評価できます。この医師を介して、報告されたあらゆる所見が提出されます。偶発的所見は実施された試験の信頼性を考慮して評価すべきです。疑わしい結果については新しい生体物質を用いて試験を繰り返す必要があるかもしれません。

サンプル提供者に関するすべての個人データ(名前や住所など)は厳しく制御され、極秘として扱われます。アクセスは厳格に制限され、個人を特定できる情報を保護するために、サンプル情報は幾重にも暗号化されコード化されます。コーディングは、治療にあたっている医師に知らせる必要がある所見が得られた場合には解除が可能で、重要な追加データがあれば関連付けることもできます。

個人データの保護に関する法律は国家間で異なるため、データセキュリティについて具体的な質問がある場合はバイオバンクに問い合わせます。

サンプルが保存されることに同意した患者は、「同意の撤回」または「参加取りやめ」によって、その決定を変更することができます。同意はいつでも撤回することが可能です。必要に応じて、患者の医師およびバイオバンクの担当者に連絡します。

この手続きのやり方は現地の法律によって異なります。サンプルおよび関連する情報をバイオバンクから削除できる選択肢を用意するようにバイオバンクに求める法律もあれば、個人の特定が完全に不可能な状態でサンプルや関連情報をバイオバンクが保持できる法律もあります。要求した場合でも、患者がサンプルを取り戻せる可能性はほとんどありません。同様に、医学研究ですでに使用されたサンプルから得た結果も通常、バイオバンクから回収されることはありません。

バイオバンクは、臨床研究にすぐに使用できる、頑健で希少な生体試料サンプルを保有することで、医学研究において重要な役割を果たしています。サンプルの収集作業および供給源の数が増えるにつれて、保管要件(例えば、保有期間、セキュリティ、規制当局による監視)はより複雑になります。バイオバンクのプロセス管理で厳密さと一貫性を保つために、デジタルソリューションを実装する必要があるのは明らかです。

SLIMS は、あらゆるバイオバンクサンプルを、その寿命全体を通して管理し追跡するための包括的なソフトウェアです。可能な限り最高品質の生体物質とデータを確実に収集するための、サンプル収集時やサンプル登録前、およびサンプル使用時の品質管理対策も含まれています。データの機密性を確保するために必要な高度な制御機能も備えています。

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